清水康弘による劇団あとの祭りの装置に関する覚え書き

 

第15回公演〜ケーキが食べたい!
(1998.10.9-11)

2005年 5月 1日

前回から半年後、キャストとして川村享子が加わっていますね。
伊東亜樹とダブルキャストになっています。伊東は妊娠5ヶ月での舞台になりました。舞台袖で辻太一の体臭をかいで「オエッ」などとなってました。
チラシでは土本がキャストに入っていますが、転勤のため出られなくなりました。

作者が新しいです。ランバードから参加している竹島ゆうこです
以前から竹島はレパ選(台本を選ぶ会)に自作の本を出していたのですが、福富の本に負けたりして涙を呑んでいたわけですね。ここで満を持しての登場になりました。

病院が舞台のお話です。
場面としては病室,ロビー,ロビーで見るテレビ,カーチェイス,院長室,非常階段,病院の外と屋上,などなどいろんな場所
作者が変わってもやってることはかわりませんね。

さて、今回は珍しく図面をお見せしましょう
盗難に遭った後、自分で引いた図面はこれが最初だったので、まあ残っていた訳です。
一方でスナップ写真が減ってきました。どうもこの頃からちょっと写真ばかり撮るのにも飽きて来た(被写体に飽きた?)こともあり、ホールで余裕がなくなりつつあったのもあり、というところでしょか。

それで図面を見ていただきますと、後ろにパネル。中央は開くようになっていて、院長室のドアやその他のドアに見立てています。
下手パネルは病院ロビーのテレビに見立ててあり、パネルの後ろは囲いをしてあって、パネルの穴を開くと後ろで江尻がリポートしていたりするんですね。
上手のほうには台がひとつ。いろんなところで椅子に使ったりしてますね。
椅子の後ろには独立したパネル。これはその後ろのパネル上奥の登退場かくしかな。いや隠れてないですね。椅子の背景のようなものですね。
上奥登退口には高い台があり、その下をくぐって登退場するのですが、この台の上に人が乗るのは脱走する車に院長と秘書さんが警告する場面のみです。奥の細い階段で昇り降りするしかない恐ろしい場所です。

構造上のポイントとしては、中央の扉は和服の院長が摺り足で出入りしたりするので、下にレールを敷かずに吊るような構造にしました。モノレールをイメージすると分かりやすいですね。上手に操作すると快適なのですが実際はよく脱輪してました。

デザインについては、先に素材ありきのパターンです。
劇団桔梗屋のKクンが大手製紙会社に勤務していて、紙をこそっと分けてくれるというので、早速あやかって紙を使った装置という前提でデザインしました。
特に何かをイメージして描いたわけではなかったのですが、公演のアンケートで
「装置がケーキのラッピングに見えてきました」と書いてくれたお客さんがみえて、それ以降使わせてもらっています。これ実はケーキのラッピングのイメージなんです、ってね。

真夏に始まった体制なので、みんなで海水浴に行きました。おなじみの伊東の実家石川の安宅海水浴場です。
ちょうど小森がグアムかどこかへ旅行に行った後の土産で「Ken」っていうフィギュアがあって(なんでそんなものを土産に?)いっしょに楽しみました
海水浴から帰ると桔梗屋の人が装置を作ったり打ち合わせをしていたようです。多分解散公演のときですね。

そうそう、海水浴のとき江尻はチラシ作りの真っ最中で「絵を描かなければならない」ということで行かなかったのだ。だんなの川地まで仲良くお留守番だったのでした。渾身のチラシはこれ。ご苦労様でした。

この公演で一番苦しかったのは、ケーキ摂取量でしたね。
僕はケーキを食べ過ぎて糖尿病になる医師の役で、一回の公演でケーキを3個食べなければならないので、一日3回公演のときは合計9個。
“台詞のここからここまでの間で食べ切らなければいけない”という制約もあり、いろいろ試して一番やりやすかったのはコンビニのケーキでした。柔らかくなくて食べやすいんです。ホールの近くのローソンに注文して公演ごとに買いに行きました。でも最後はやはりキツくて、角を落としたりイチゴを半分にしたりクリームを削ったりして対処せざるをえませんでした。そしてパンシロンを摂取。
江尻もお菓子リポートでいろいろ食べるので大変そうでした。(シュークリームとか豆大福とかワッフルとか、食べるものに合わせてかぶりものを被るという不思議なレポーターでした)彼女もシュークリームの代わりにシュークリームに似たパンを食べるとか工夫があったようです。
僕も江尻もお腹が痛くなったり気持ち悪くなったりして、差し入れで頂くお菓子はもう見たくない状態でした。

次回は第16回公演〜新撰組の布団 です。

 

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